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    vol.31

    ヨガインストラクター

    アユミ ヒロカワ ヴェンゲルトさん

    HITOTSU YOGA主宰

    横浜でヨガ教室を主宰されているヒロカワさん。今までにドイツ、中国(上海)、日本と様々な国に住み、旅も楽しまれています。その中で感じたこと大切にしていること、生活のバランスなどについてお話を伺いました。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • ヒロカワさん

      朝起きたら最初に窓を開けて部屋に風を通します。その後鉄瓶に水をくみお湯を沸かします。弱火にすると沸騰するまでに10~15分くらい、その間に軽い瞑想とヨガ(太陽礼拝)を行ないます。お湯が沸いたらポットに移し白湯としていただきます。

      北麓草水

      お湯が沸騰する間の時間をタイマーの代わりにするのは、とてもよいアイディアで朝の時間がリズムよくはじまりそうですね。鉄瓶を使うのには、理由があるのですか?
    • ヒロカワさん

      岩手の及源鋳造(OIGEN)の鉄瓶を愛用しています。鉄の作用でお湯は白湯でもおいしくなり、お茶は甘くなるような気がします。新潟出身で東京に暮らし始めた時は水の違いに驚いてしまいました。言葉で表現すると東京の水はとがっているような感じ。鉄瓶で沸かすと水がまろやかになります。使った後の鉄瓶は水をよくきり、中に水滴が残らないように少し空焚きをして乾かします。手入れにひと手間かかりますが、それも愛着が増します。

      北麓草水

      ヨガインストラクターをされていらっしゃいますが、ヒロカワさんにとってのヨガとはどんなものなのでしょうか?
    • ヒロカワさん

      一番大切なのは「ヨガ(ここでは、ポーズをすることや練習に時間を費やすこと)」ではなく、家族との生活や時間、自分自身の日々の生活を丁寧に生きてこそのヨガだと思っています。ヨガは生きることの追求でもあります。それには一日一日、毎日の暮らしを大切に丁寧に送ることが基本であると考えています。

      北麓草水

      ヨガをされるようになってよかったことはありますか?
    • ヒロカワさん

      ヨガは自分自身の深いところ、自分自身の本質に向かい合える時間です。自分の中にあるネガティブな部分も認めることができたこと。ポジティブもネガティブもあり、その両方の自分をただただ受け入れることが出来るようになったことで、生きること、自分、そして他人との関わりがとても楽になりました。ヨガは呼吸法でもあり深い呼吸を続けることで心に風を通して自分の内側を居心地よく調えてくれます。深い呼吸をすることは家の窓を磨くことのようだと感じます。深呼吸を繰り返すことで窓がピカピカになり自分の内側に何があるのか見えるようになるのです。毎日磨いていないと曇って中が見えなくなってしまいます。

      北麓草水

      深い呼吸をすることは心の中を見る窓を磨くことなのですね。体とは魂や心のお家のようなもので、メンテナンスしながら大切にしたいです。

    その他に大切にされていることはありますか?

    • ヒロカワさん

      バランスを大切にしています。ひとつのことに集中してしまう質なので、やりすぎてしまわないように、何事も八分目くらいでバランスがとれている状態を心がけています。そのほうが心地よく長く続けられると思います。

      北麓草水

      暮らしの中ではどのようなことでしょうか?
    • ヒロカワさん

      ドイツ人の夫と夫婦二人暮らしです。平日はお互いに自分の仕事や自分の世界を持っていますが、休日には出来るだけ家族で過ごすようにしています。基盤となる小さな社会、つまり家族との時間や生活をとても大切に考えています。その基盤が安定することで、外とのかかわりもバランスがとりやすくなると思うのです。

      北麓草水

      お二人でよく旅に行かれるそうですが旅についてお話いただけますか?
    • ヒロカワさん

      旅も生活の一部であって特別なことではなく、日常のような感覚です。言いかえれば、日常も旅と同様、大切な時間です。

      北麓草水

      年にどのくらい旅行されるのですか?
    • ヒロカワさん

      その年によって違いはありますが、アジアなど近い所も含め海外へは年に5~6回くらい、国内も同じくらい旅しています。

      北麓草水

      日常のような旅とはどのようなものなのでしょうか?
    • ヒロカワさん

      旅先でレンタカーを借りることも多く、あちこちの町を巡ります。歴史あるオールドタウンや自然そのままの景色を見に行ったり、トレイルを探して山歩きをしたり。それと必ず行く所の一つは市場です。その土地の人々の暮らしぶりが一番見えてくる場所だと思います。もちろん美味しいものに出会いやすいですし、その土地の市場や食堂、屋台で頂く食事も楽しみのひとつです。二人とも何でも食べられるので、どこに行ってもどんなものでも大抵は美味しく頂いています。
      写真は中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区のカシュガルの町です。厳しい自然環境から生まれた文化や生活様式、そして厳しい生活の中での心のよりどころになっている宗教、少数民族が守っている言葉や文化、衣装。そういった人々、文化、言葉の存在自体が危ぶまれている事実を含めて非常に印象の強い旅でした。旅から帰ると二人ともすぐに旅の荷物を片付けます。そうして、またホームベースでの大切な日常がはじまります。

    お話の中で、土台が大切ということを何度もお話くださったヒロカワさん。土台とは、日々の暮らし、食生活、心身の健康、家族との生活が心地よく保たれていること。ヨガでも、ポーズは土台となる足の裏、お臍から下の下半身がしっかりと安定していれば、心地よさと自由を感じられるそうです。生活でも人生でも同じことが言えそうです。自然、時間、すべての出会いや出来事に感謝するようにして生きている、と語るヒロカワさんは、それをしっかり実践されていらっしゃるようでした。とても楽しく貴重なお話をありがとうございました。