北麓草水

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みんなの習慣

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相田尚美さん

vol.53 相田尚美さん

茶 岡野園三代目

日本三大銘茶のひとつ狭山茶と茶道具の専門店として創業65年になる老舗茶屋の三代目でいらっしゃる相田さんです。地元狭山で生産される有機肥料で大切に育てられたお茶を契約農家から直接仕入れ、注文を受けてからひとつひとつ手作業で袋詰めする計り売りで販売をしていらっしゃいます。昔からの伝統を守る一方で、若い世代にお茶を生活の中で楽しむ方法を伝えるワークショップなどの活動もされています。埼玉県東大宮にあるお店の中にある茶房にてお話を伺いました。

日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

相田さん
いつも気をつけていることは、自分が香りをまとわないということです。毎日使うせっけん、シャンプー、化粧品などは、ほのかに天然の香りがして使っている時は気持ちよく香りを感じ、その後には香りが残らないものを選ぶようにしています。昨今世の中で売られているものは、強い香りを付けるように考えられてつくられている物が多いように思います。
北麓草水
いつの頃からそのように香りについて意識されるようになったのですか?
相田さん
幼い頃から香りや匂いには敏感でした。特に意識するようになったのは、家業であるお茶の仕事をするようになってからです。お茶は香りも大切な要素なので、自分は無香でフラットな状態でいるようにしました。そうしてみると、自然の中のかすかな香りを敏感に感じられるようになりました。例えば、ロウバイの香りに早春の訪れを、梅の花の香りからは春を実感します。季節や自然の変化は勿論ですが、自分がフラットでいることで、小さな変化やできごとに深く感じ入ることが出来るようになったと思います。
北麓草水
相田さんは北麓草水のスキンケア商品をご愛用いただいていると伺いました。どのようなところが気に入っていただいているのか教えていただけますか?
相田さん
最近はディープモイストローションとディープモイストエマルジョンを使っているのですが、つけた時にふわっと甘いお酒の香りがして、ふっと消えてしまうところが、とても気に入っています。肌といっしょに心もやわらかくなるようです。もちろん肌もしっとりやわらかくなって、私の肌に合うようです。
北麓草水
ありがとうございます。そのようなお声を聞くことができてとても嬉しいです。狭山茶とお茶の文化についてお話を伺いたいと思います。狭山茶はどのような特徴を持つお茶なのか教えていただけますか?
相田さん
狭山茶はやさしい甘みのあるお茶で、やさしくのどを通り毎日飲んでも飽きのこない味だと思います。お茶はつばき科の常緑樹で、温暖な土地に育ちます。狭山茶を生産している埼玉県西部は、お茶栽培の北限に近い土地です。寒い冬を乗り越えるため茶葉は厚くなり、新芽もゆっくり肉厚に育ちます。そのため旨みやコクを多く持ち、その茶葉の特徴、よさを生かす伝統技法「狭山火入れ」によって、味わい深くやさしさとまろやかさのある狭山茶ができるのです。
北麓草水
この淹れていただいたお茶は、おっしゃる通りやさしく甘みのあるおいしいお茶ですね。お茶の入れ方で大切なことは何かありますか?
相田さん
煎茶は70~80℃に冷ましたお湯で一分ほど蒸らしてから淹れます。どちらも最後の一滴まできれいに注ぎきってください。最後の一滴においしさがぎゅっと詰まっています。狭山茶なので同じ埼玉県の名水で入れて召し上がっていただきたいという思いからお店の茶房でお出しするお茶は、埼玉県寄居町の湧水をくんできて使っています。ほうじ茶、玄米茶などは熱湯で入れ30秒ほど蒸らして淹れます。
北麓草水
同じ県内でもだいぶ遠くまで水をくみに行かれているのですね。ご苦労ではありませんか?
相田さん
せっかく店に足を運んでお茶を召し上がっていただくのですから、何か工夫をして特別な一杯にしたいと思いました。名水を南部鉄の鉄瓶で沸かしてお茶を入れています。茶の湯では4時間のお茶席のために一週間かけて準備をし、お客様にお茶を点てる時間にちょうどよい温度になるように、炭を組んでお湯を沸かします。相手を想い時間と手間をかけ場をしつらえます。そんな茶の湯の道には人生の大先輩がたくさんいらっしゃり、一生勉強できる世界です。
北麓草水
お店でいただくお茶には、その心が入っているのですね。ありがとうございます。
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その他に大切にしていること、習慣にしていることは何かありますか?

相田さん
手紙やはがきを書くことを習慣にしています。季節のお便りやお礼状など、筆ペンや筆を使って書くようにしています。筆で書いた文字は、くせがあり決して上手とはいえない字であっても、字が生きているように感じられ、文字にその人が写されているような気がします。また手紙の最初に季節のあいさつや、季節を感じていただける言葉を入れるようにしています。そして手紙の結びには、相手の方をいたわる言葉を入れるように心がけています。季節のあいさつはむずかしく考えずに、その日の朝に感じた季節感や、手紙を書いている時に目に入ってきたことをそのまま素直に書くようにしています。店の前の公園には、大きな桜の木があります。その桜の姿をうつすだけでも、その季節が表現できます。花の咲く時期はもちろんですが、花が終われば葉が芽吹き、夏には青々とした葉を茂らせ、秋になれば赤や黄色に色づいた葉が風に舞い落ちて、冬には幹と枝の姿を見せてくれます。一本の木を見ても日々の変化や季節を感じることができ、それを手紙を送った相手にも伝わるようにと思って書いています。
北麓草水
相田さんのお話を伺い、日本の自然の豊かさとその自然にはぐくまれた文化を改めて感じることができました。お茶会やワークショップなどを開催していらっしゃいますが、これからの予定があれば教えていただけますか。
相田さん
狭山茶は八十八夜の頃に新茶ができます。その時期ならではのお茶を体感していただける、新茶のワークショップを行ないます。
・5月13日 東大宮 岡野園
・5月25日 渋谷ヒカリエ d47ミュージアム
・5月30日 自由が丘 こなな
詳しくは岡野園ウェブサイトでご確認ください。http://okano-en.com

守るべき大切なことは頑固に守り受け継いで、それと同時に日本茶の素晴らしさを多くの人に伝える活動も積極的にされている相田さん。「私みたいな者がお茶を紹介することで日本茶を身近に感じ、同世代の若い人にも良さや楽しさを知ってもらいたい。」とお話くださいました。その表情はやさしくさわやかで、相田さんが淹れてくださったお茶の香りのようでした。季節のお便りに新茶を添えて、お世話になった方に送ろうと思います。 ありがとうございました。

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