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    vol.119

    会社員

    齊藤朋子さん

    暮らしの中でハーブを育てることや陶芸を楽しんでいる

    都心で生活しながら、アーバンファーマーズクラブ・ハーブ部(https://urbanfarmers.club)で、都会でも自然を感じ農ある暮らしを楽しんでいる齊藤さん。ハーブや植物を育てることが好きということを通じて集まった、様々な人たちとハーブを育て、それを暮らしに生かす知恵を共有されています。また、長く続けていらっしゃる陶芸は、展示会を開くほどの腕前です。太陽の光が降り注ぐ都心のビルの屋上で、生き生きと育つハーブに囲まれながら、積極的に人生を楽しんでいらっしゃる齊藤さんに、日々の暮らしの中で大切にしていることについてお話を伺いました。

    Q,日々暮らす中で、習慣にしていること大切にしていることはありますか?

    • 齊藤さん

      20代の頃に始めた趣味の陶芸を、仕事や働く場所が変わってもずっと続けています。陶芸は私にとって大切にしていることで、生活の一部になっています。ライフワークと言えるかもしれません。

      北麓草水

      作品をつくること、その時間は齊藤さんにとってどのようなものなのか、教えていただけますか?
    • 齊藤さん

      ひんやりと冷たい土に触っていると、気持ちが落ち着きます。また、つくる形には、その時の自分の気持ちが表れるような気がします。例えば、心に迷いがあり集中できていないと、形が曲がったり、歪んだりしてしまいます。そのため、制作の時はできるだけ心を落ち着けて、無心で土にむかうようにしています。作品づくりはとても疲れますが、その後は気持ちが整いすっきりします。

      北麓草水

      創作する上でテーマにしていること、大切にしていることはありますか。
    • 齊藤さん

      土の持つ素材感を大切にした作品をつくりたいと考えています。旅先で目にしたもの、自然の中で感じたこと、心を動かされた風景や時間を、作品の中に留め表現できたらと思っています。また、器だけでなく、育てているハーブや植物の苗の名前を書いて土に立てるプレートや、植物を植える鉢など、あったらいいなと思うものを、大小に関わらず自由な造形で楽しみながら制作しています。

      北麓草水

      ご友人と一緒に持っていらっしゃるアトリエには、コンパクトなスペースながらろくろ、本格的な電気釜が設えられていて、齊藤さんの陶芸に取り組む姿勢が現れているような空間でした。このアトリエで、丸一日制作に打ち込むこともあるそうです。

    Q,その他に大切にしていること、習慣にしていることはありますか?

    • 齊藤さん

      睡眠を大切にしています。夜はぐっすり眠って、その日の疲れをリセットするようにしています。

      北麓草水

      睡眠の質を上げるためにしていらっしゃることはありますか?
    • 齊藤さん

      ハーブティーを飲むようにしています。コーヒー、お茶も好きなのですが、カフェインの入っているものは夕方以降飲まないようにしています。

      北麓草水

      どのようなハーブティーを飲まれるのですか?
    • 齊藤さん

      仲間と育てたハーブを収穫、乾燥させて、香りのバランスを考えながらブレンドしたものです。その時々、季節で収穫できるハーブの種類が変わるので、ハーブティーの味や香りはその都度変わります。自分たちで育てたハーブは、とても新鮮で香りもフレッシュです。近くのビルの屋上で約百種類のハーブを育てているのですが、週末に手入れや収穫をしています。ハーブティーのほかに、ハーブオイルや蒸留水などをつくり、育てたハーブを使って仲間と楽しんでいます。

      北麓草水

      アーバンファーマーズクラブでハーブ部の活動をされるようになったきっかけがあれば教えていただけますか。
    • 齊藤さん

      長く東京に住み、仕事中心の生活をしてきたのですが、ある時住んでいる地域で人との繋がりを持っていないことに気が付きました。地域清掃など、地域活動をしている団体や参加できる催しを探したところ、渋谷区でビルの屋上などを活用して野菜を育てる活動をしているアーバンファーマーズクラブに出会い、入会をしたのが始まりです。

      北麓草水

      思い立ってすぐに新しい活動を始めてみるという行動力が素晴らしいですね。
    • 齊藤さん

      いつからでも新しいことに挑戦したいと思っています。面白そう、これ好きだなと感じたら全く知らないことでも始めてみる。そうやって自分の好きなことの引き出しを増やしていきたいと考えています。一つのことを追求して深めていくことも大切ですが、私は好きなことの引き出しの数をどんどん増やしたいと思っています。引き出しが一つ増えることで、新しい人との繋がりや経験、知識が増え、世界が広がります。また他の引き出しと組み合わせることで、新たに面白い物や新しい価値ができることがあります。

      北麓草水

      齊藤さんがつくられた陶器の植物のネームプレートや大きな植木鉢は、陶芸と植物を育てるというふたつの世界から生まれた作品ですね。
    • 北麓草水

      ハーブや野菜を育てる楽しみは、どんなところにありますか?
    • 齊藤さん

      多くの仲間と一緒に育て、収穫後にハーブを使って何かをつくる楽しみを分かち合えることですね。ハーブや植物が好きという共通点で集まっている仲間なので、年齢、性別、仕事などが違う様々な人がいます。好きなことの共通点から、知識や体験を共有できる、とても気持ちのよい緩やかな繋がりで活動ができていると思います。ハーブには、心にも体にも良い影響を与えてくれる魅力があります。朝のハーブの香りや、一枚・ひと枝のハーブをお料理に加えることでいつもの一皿が驚くほど美味しくなることなど、その魅力を仲間と共有できることはとても幸せです。

    陶芸もハーブの知識も素晴らしい齊藤さんですが、それは好きで続けていることなので、仕事にするつもりはないとお話しくださいました。「たくさんの活動を活発にされて、疲れることはありませんか」と伺ったところ、「疲れること、楽しくないことはやらない」と即答でした。何か面白そうと思ったら、とりあえずドアをノックして、自分を信じて一歩を踏み出してみる。やってみると必ずそこで新しい発見があって世界が広がりますよ、と素敵なメッセージをいただきました。ありがとうございました。(2022年10月20日公開)