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    vol.19

    ヨガ講師

    久保みゆきさん

    「音のヨガ」と呼ばれるキールタンの
    イベントを各地で開催

    関西でヨガ講師のキャリアをスタートされた久保さん。現在は、故郷・香川を生活の拠点に、京都・大阪・バリ島など様々な土地でヨガを教えられています。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 久保さん

      毎日、できるだけ同じサイクルで生活するように心掛けています。特に午前中の時間を大切にしています。朝は5~6時に起きて、まずアーユルヴェーダ式のオイルマッサージをします。それから歯磨き、鼻洗浄をして、シャワーを浴びます。その後、少し心を鎮めるのに瞑想の時間をとってから、ヨガのプラクティスをします。ここまでで大体2時間ぐらい。この時間が自分には大切で、家以外の場所で過ごすときも、どこでも同じような朝の過ごし方をすることで、心が安定する気がします。

      北麓草水

      ほかに大切にしていることはありますか?
    • 久保さん


      なんでも80%程度の力で物事に取り組むようにしています。20%ぐらいは必ず余力を残すように。100%力を出しきってしまうと、何か予期せぬことが起こったときに自分自身も乱れやすくなってしまうので。「余白を残す」ということを大切にしています。それと、何かを決めるときは、長く考えないようにしています。考えれば考えるほど余計なことが思い浮かんで、自分にとっての正しい選択ができなくなる気がして。自分が楽しいか、ワクワクするかという基準で、早めに決断するようにしています。あとは、「小さく暮らす」こと。身の丈にあった暮らしをしたいと思っています。

    いつも穏やかで安定して見える久保さんですが、ストレスがたまることはないのでしょうか。もしあれば、そのときはどんな風に発散されていますか?

    • 久保さん

      わりと一晩寝れば嫌なことも忘れるタイプではあるのですが、それでも何かあった時には、発散というよりそのことと向き合うようにしています。朝の瞑想の時間には、そのとき心の中にあるものを自由に思い浮かべるのですが、ストレスがあるときはどうしてもそのことばかり浮かんでしまいます。そのときは、浮かぶことに対して客観的に「へぇー」とか「あ、そう」とか思ったり、「なぜ自分はそんな風に感じるのだろう」と考えたりします。そうして自分の心を観察しているうちに、気持ちが落ち着いていくように思います。

      北麓草水

      久保さんは、一般的に私たちがイメージするポーズをとるようなヨガのレッスンだけでなく、現在は「音のヨガ」と呼ばれるキールタン(※ハルモニゥムという鍵盤楽器の伴奏に合わせて、インドの賛美歌のようなものを大勢で歌うもの)のイベントも各地で開催されています。

    キールタンに興味を持たれたのはどうしてですか?

    • 久保さん

      私が学んでいるシヴァナンダヨガには、ポーズだけでなく瞑想や哲学、心のありようや食事についてなど生活における様々な教えがあります。キールタンもその中のひとつです。そもそも私がヨガに興味を持ったのは、パニック障害になった友人を薬以外の方法で治せないだろうか、と思ったのがきっかけで、始まりからヨガに心の安定を求める部分がありました。それに加えて、小さい頃ピアノを習ったり、合唱部に所属したりしていたこともあり、音楽にはなじみがありました。それで、シヴァナンダのクラスでかかっていたキールタンのCDが、すごく気になったのかもしれません。でも、そんなことは関係無しに、ただ好きだと思った、というのがきっと理由ですね。

      北麓草水


      現在では久保さんのキールタンイベントは、あまり告知をしなくてもたくさん人が集まるようになっていますね。でも始められたばかりの頃は、まだキールタンを知る人も少なかったでしょうし、イベントを開くにもご苦労があったのではないでしょうか。
    • 久保さん

      そうですね。初めてのクラスでは生徒さんはひとりでした。その後も最初の頃は、生徒さんがひとりから3人ぐらいということも多かったです。でも、それでもいいと思っていました。細く長く続けられたらいい、と思っていたんです。

      北麓草水

      キールタンに関しては、先生に教わるわけでもなくほとんど独学で学ばれていますよね。そうして手探りで勉強しながら、ここまで続けてこられた原動力はなんですか。
    • 久保さん

      それはもう、「好き」というエネルギーだけです。なぜかキールタンに関してだけは、パッと動けるんです。何か自分ではないものの力に押されて行動しているように感じるときがあるぐらいです。

      北麓草水

      それほど久保さんを惹きつけるキールタンの魅力というのは、どういうものですか。
    • 久保さん

      みんなで作り上げている感覚、共鳴する心地よさです。みんなの声が共鳴すると、本当に気持ちいいです。自分の声とみんなの声、そして楽器からの音の共鳴によって、私は参加している人の心をオープンにしてあげるような役目なんです。

    太陽が大好きで「自然が先生」とおっしゃる久保さん。自然は「ただ在る」ということを教えてくれるといいます。どんな場所でもどんな人たちの間でも、すぐにしっくり馴染んでしまう久保さんもまた、「ただ在ること」を体現されているように見えました。お話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。