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    vol.3

    ジュエリーデザイナー

    蓮井まきさん

    自身のブランド「mamelon」の企画制作を手がけ、毎年3月に新作を発表する。
    今年のテーマは「Rusticflowers」。

    毎回個性的な作品を発表する「mamelon」のデザイナー蓮井まきさん。
    mushrooms(きのこ)、insects(昆虫)など自然をモチーフにすることも多いまきさんの
    アイディアの源について、そして大切にしていることについてお話を伺いました。

    日々暮らす中で大切にしていること、習慣としていることはありますか?

    • 蓮井さん

      くらしはていねいに。ということをいつも心にとめています。

      北麓草水

      – くらし全体に対しての大きなテーマですね。具体的にはどんなことでしょうか?
    • 蓮井さん

      まずは食事です。味噌、梅干、ポン酢は手作りしています。お米と野菜と納豆は長野に住む友人の農家から無農薬のものを送ってもらっています。また季節の果物を砂糖で漬けてシロップにする酵素ジュースも娘が産まれた頃から作っています。

      北麓草水

      – とてもていねいな食生活ですね。ずっと以前から食に対して、そのようにされていたのですか?
    • 蓮井さん

      食の大切さはずっと感じていました。それに加えて娘が生後1ヶ月の頃から乳児湿疹がひどく、指導を受けた自然育児相談所の先生からの指導で母親である私の食生活を、ご飯と野菜、少量の果物だけに変えるように言われました。驚いたことに私の食事を改善すると、娘の湿疹が治ってしまいました。このことで食べものの大切さを体で勉強しました。その後3歳になるまでしっかり母乳を与え、スキンシップもしっかりして育てました。今では病気知らずの丈夫な子に育っています。今は娘も私もお肉、お魚もいただきます。

      北麓草水

      – 母乳育児をしっかりされたのですね。mamelon(乳首)というブランド名は、そんなまきさんのお考えを表しているのですか?
    • 蓮井さん

      いいえ、フランス語のmamelonという響きがかわいいと思って名付けました。後から考えると、つながるところがありますね。

    昨年のテーマは「Japaneseplants」。今年のテーマは「Rusticflowers」ですね。このテーマに込められた思いは何ですか?

    • 蓮井さん

      昨年のテーマJapaneseplantsは、2011年3月に起きた大震災とその後の日本の状況を見て、自分は何ができるのだろう。何をしたら良いのだろう。と考えました。考える中で、もっと自分の住む日本を好きになりたい。日本の美を再認識したい。と思うようになりました。

      北麓草水

      –Japaneseplantsのコレクションは、笹・吾亦紅・南天・椿・菊など日本人には馴染み深い花、植物がデザインされています。
    • 蓮井さん

      今年のテーマRusticflowersは幼い頃に誰もがした遊び、道端の草花をつんでブーケにする。そんな自由な気持ちやリラックスした時間を取り戻せたら。という思いで作りました。

      北麓草水

      – Rusticflowersは、ハコベ・タンポポ・ネコジャラシ・ヒナゲシなどとても身近なゆえに雑草とひとくくりにされてしまいがちな小さな草花を取り上げています。そこには、一般的な価値観にとらわれることなく、人にも植物にもそれぞれが持つ美しさがあり、ありのままの自分の中に当たり前すぎて見えなかった強さ尊さがあるのだ。というまきさんのメッセージが込められています。
    • 蓮井さん

      自分の作品を身に付けてくださったお客様には、これ(作品)を見て楽しく、明るい気持ちになっていただきたいと思っています。ジュエリーは直接肌につけるものなので、服よりもより身につける人の心に作用する力があると思うのです。ブランドやトレンドに影響されることなく、ご自身の個性に合うものを楽しんでつけて欲しいと思います。

    その他に何か工夫されていること、習慣にされていることはありますか?

    • 蓮井さん

      仕事柄、細かい作業を続けているので肩こりに悩ませれます。そのためお風呂の入り方は工夫しています。毎日本を持って入り、42度~43度の熱めのお湯にゆっくりつかります。

      北麓草水

      – ゆっくり入るには高めの温度ですね。のぼせてしまいませんか?
    • 蓮井さん

      ええ。ですので本を持って、肘と手のひらはお湯に入れないようにするのです。こうすると体はしっかり温まりますが、のぼせません。体を芯から温め血行を良くすることで、肩こりは解消します。時間がないからとシャワーで済ませてしまうと次の日がつらいです。

      北麓草水

      – その日の疲れはその日にケアする、アスリートのようですね。
    • 蓮井さん

      お風呂の後は、少しだけ本を読んで早めに寝ます。バタンキューです。

    朝5時には起きて8時にはお仕事を始めるまきさん。早朝の時間の清々しさ。仕事の合間に歩いて行く買い物と寄り道での草花との対話と観察。そんな普通で丁寧な暮らしから、まきさんの作品は生まれているようでした。黄色の引き出しが素敵な仕事机をはじめ、整った室内空間にも自然の素材で人の手で作られたものが置かれていて、まきさんの美意識が隅々にまで感じられました。「くらしはていねいに。」単純で平易な言葉が意味する広くて深いことをいつも忘れずに暮らして行きたいと思います。ありがとうございました。