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    vol.59

    ナチュラルナビゲーター

    渡辺莉子さん

    ネイチャードアサロン 「R」 主宰

    子どものころから海が大好きで、学生時代にライフセービングと出会い、ライフセーバーとしてパトロールや講習会での指導をされてきました。アスリートとしてアウトリガーカヌーやラフティングなどのパドル競技に日本代表として出場を果たし、現在も現役パドラーとして活躍をされています。これまでの経験の集大成として神奈川県の葉山にネイチャードアサロン「R」を開かれ「自然回帰プログラム」を提供する活動をされています。そんな海のパイオニアである渡辺さんに自然とつながる喜び、日々の習慣についてお話を伺いました。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 渡辺さん

      暮らしの中で自然を感じるようにして、自分が自然と共にあるという感覚を大切にしています。朝は窓を開けて日が出ていれば朝日を浴び、木々の揺れ具合や風の音でその日の天気を感じます。月の満ち欠けと潮の干満を知ることも、海で活動をするには欠かせないことです。同様に自分自身の体を観察し整えるために、一日のスタートは梅醤番茶で迎えるようにしています。

      北麓草水

      梅醤番茶とはどんなお茶なのですか?
    • 渡辺さん

      梅肉にすりおろした生姜と醤油を加え、そこに鉄瓶で20分沸かして煮出した番茶を注ぎます。醤油はその日に美味しいと思える量を入れるようにしています。それが自分の体が欲している塩分量であり、体の声であると考えています。

      北麓草水

      美味しいと感じることが自分の体の状態を知ることのひとつなのですね。
    • 渡辺さん

      自分がどう感じるか、体がどう反応するかを知ることが大切なのだと思います。

      北麓草水

      食事も栄養バランスなどに気をつけていらっしゃるのですか?
    • 渡辺さん

      食事は体をつくる基本なので、とても大切にしています。食養生や薬膳の考え方をもとに体の声に耳を傾け、体の状態に合わせたものや体が欲しているものをいただくようにしています。旬の野菜を中心にした食事をつくっています。

      北麓草水

      渡辺さんのようなアスリートで体を使われるお仕事をされていても、菜食中心で体力が維持できるのですか?
    • 渡辺さん

      これまでもアスリートとして更なる飛躍を目指し、自分の体を通じて研鑽を深めてきました。その結果、私の体の場合は野菜中心の食事が、最も高いレベルのパフォーマンスを発揮できるという結論に至りました。 例えば、私はハワイのモロカイ島からオアフ島へとアウトリガーカヌーで海峡を渡る世界最高峰のカヌーレース「Na wahine o ke kai」に、日本代表として参加しました。そのレースはとても過酷な環境下でのパフォーマンスが要求されます。一艇のカヌーの乗組員は6名。そのシートを10名のクルーが交代を続けながら、およそ70キロという距離を灼熱の太陽の下、洋上の大きなうねりを捉えながら6時間以上という長時間に渡り漕ぎ続けます。このような状況下であれば、最近よく言われる脱水症状に対するケアも当然必要となるわけですが、私の場合は水分補給という方法ではなく、食養生の知恵に基づき「梅干しのたね」を口に含むという代替法で対応しています。この方法は、水分の補給のみならず高いパフォーマンスを実現してくれます。

      北麓草水

      渡辺さんの体は全身しなやかに引き締まり、体中にエネルギーが充ちていて、体がまっすぐに空と繋がっているような第一印象を受けました。
    • 渡辺さん

      そのように感じていただけることは、とても嬉しいです。

    その他に大切にしていること、習慣にしていることは何かありますか?

    • 渡辺さん

      毎朝瞑想をしています。自分の内側と向き合う時間を持つようにしています。それから毎朝掃除をして自分のまわりの環境を整えるようにしています。

      北麓草水

      瞑想というと難しく考えてしまいますが、どのようにされるのか教えていただけますか?また瞑想をされるようになって何か変化はありますか?
    • 渡辺さん

      毎朝起きてすぐマットに座って行ないます。軽く目を閉じて心を落ち着けて呼吸を整えます。時間は数10分から時間が取れるときは数時間座ることもあります。瞑想をはじめて15年くらいになります。言葉で表すのは難しいのですが瞑想をすることで、自分の中の本当の自分とつながり、自分の真ん中に軸が通り考えや行動にぶれがなくなったような気がします。自分がワクワクすることに力まずにアクションを起こせるようになったのも、瞑想のお陰だと思います。この時間は自分の一部としてなくてはならない習慣です。整理整頓と掃除で周りの環境を整えて、瞑想で自分の内側を整えるという感じです。

      北麓草水

      日本を代表する海のパイオニアでアスリートである渡辺さんが、ネイチャードアサロン「R」を開かれたのは、どのような思いからだったのかお話いただけますか?
    • 渡辺さん


      今までに自分が海や自然を通して体験してきたこと、またレース等に参加して重ねてきた経験を自分なりに消化して、みなさんにお伝えしたいと思いました。夏の間に海で行うSUP(スタンドアップパドル)、秋から冬にかけてのトレッキングで参加された方が自然の中で見せてくださる輝く笑顔を見ると私もとても幸せな気持ちになります。アスリートとしてはレースに挑戦して目標を成し遂げることが成功体験でしたが、今は自然の中での体験でその方が喜びや楽しさを感じている姿を見ることが、私の成功体験で喜びです。サロンの名前「R」は、リフレッシュ、リラックス、そしてラディアントと3つのRの意味を持たせて名付けました。ラディアントとは本来の輝きという意味があります。自然とつながることで、自然界から学び歩調を合わせ、それぞれが自分本来の輝きを放つように、自然と人をつなぐナチュラルナビゲーターとして、健康でハッピーな未来をつくるお手伝いをしていきたいと考えています。

    スタンドアップパドルのボードに乗って自由自在に海の上を移動し、ボードから海に飛び込んで自由に泳ぐ渡辺さんの姿は、自然と共にあり自然と仲良く生きることを体現されているようです。海や自然を深く知り、自然と仲良くするすべを知っている渡辺さんに案内をしてもらって冒険のドアを開くと、自然との出会いと新しい自分との出会いがあるのではないかと思いました。大人になっても自然の中で思いっきり遊ぶことは、理屈ぬきで楽しいことなのだと感じました。ありがとうございました。