北麓草水

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みんなの習慣

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割田光彦さん、貴子さん

vol.75 割田光彦さん、貴子さん

TOWA OLD FOLK HOUSE店主<br>カメラマン、グラフィックデザイナー ダーニング作家

山梨県身延町で築120年の古民家に手を入れ、一日一組の宿TOWAを営む割田さんご夫婦です。山と自然に囲まれた静かな環境とゆっくりと流れる時間は、まるでタイムトラベルをしたようです。若い割田さんご夫婦の手により新鮮な風を吹き込まれた空間は、唯一無二のここだけの場所になっています。それぞれにクリエイティブな活動をされているお二人に、暮らしのこと、大切にしていることについてお話を伺いました。

日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

光彦さん
一年を通して続けている習慣は、特に思い当たらないのですが、山梨県に移住して気がついたことは、自分の体の今の状態や変化を意識して毎日の生活ができるようになったことです。
北麓草水
例えばどんなことなのか、詳しくお話をしていただけますか?
光彦さん
以前は体調がすぐれないなと気づいても、自分なりの対処をすることもなく、具合が悪くなれば病院に行って診てもらい、薬を処方してもらって飲むということをしていました。
北麓草水
毎日仕事で忙しかったりすると、自分の体と向き合い労わることを忘れがちになりますね。
光彦さん
こちらで暮らすようになってから、自分の体質や体が、季節によって変化することを初めて感じて意識するようになりました。実は自分が冷え性だということも、最近わかりました。冬になると体が冷えてしまいます。寒い季節は靴下を重ね履きしています。5本指ソックスの上にもう一枚ソックスを履いています。それから、目が疲れている時は、まぶたの上から眼球をそっと押してみると、硬くなっているのがわかります。目の疲れから肩や背中のコリやハリに繋がるので、目の疲れに気が付いたら、目を閉じて小豆が入ったカイロを温めて目に乗せています。(こちらの内容は通っている鍼灸院で教えていただいた内容です。)
北麓草水
触ってみるとわかるのですね。すぐにでも試してみます。
光彦さん
そして夏は体が水分不足になりやすいのです。コーヒーが好きで夏でもコーヒーをよく飲んでいたのですが、コーヒーには利尿作用があって、水分を排出してしまうので、夏は意識して水や麦茶を飲むようにしました。この時期になるとこういう症状が出るなとか、これを食べた後は体がこうなるな、と自分で気がつくようになり、それはどうしてだろうと考えたり、調べたり、試したりして、体への探究心が深まりました。
北麓草水
貴子さんにもお伺いします。日々暮らす中で習慣にしていることはありますか?
貴子さん
お風呂に入った時に、足を揉むようにしています。体が疲れているとかかとが痛くなるので、湯船に浸かってよく揉みほぐすようにしています。私はこちらに移住する前から、自分の体や食べ物に興味を持っていて、ヨガをしたり、食事にはマクロビオティックの考えを取り入れたりしていました。買い物も品質表示を見てから食品を購入するようにしていました。でも今はあまりこだわり過ぎずに、その時々に何でも美味しく、ありがたくいただくことが一番だと思っています。こちらに移住してからは、ご近所の方から旬の野菜をいただいたり、育てているニワトリの卵をいただいたりしています。自然で旬のものを毎日いただいています。だからなのかわかりませんが、不調を感じないですね。
北麓草水
貴子さんはお肌に透明感、ツヤがあってすこやかな印象を受けますね。
光彦さん
僕が知らなかった体のことや食べ物のことで、よくアドバイスをしてくれます。
北麓草水
TOWAに宿泊すると、かまどと薪を使って羽釜で炊いたご飯をいただけるのも嬉しいですね。
貴子さん
食事をつくる時は、季節感を意識するようにしています。ここで生活をしていると、自然に旬の食材で料理をするようになりますね。かまどでご飯を炊くのは、夫の担当です。とても上手に美味しく炊くことができます。
光彦さん
かまどと薪ストーブは僕の担当です。ご飯を美味しく炊くには、火を引くタイミングが大切です。強火でカンカン炊いて沸騰したら全部薪を抜いて、20分蒸らして出来上がります。ふっくらつやつやで、とても美味しいです。お客様で普段はお茶碗一杯なのに、ここでは3杯おかわりしたという方もいらっしゃいます。ご飯は多めに炊きますので、美味しくお腹いっぱい召し上がっていただければ嬉しいです。
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その他に大切にしていること、習慣にしていることは何かありますか?

光彦さん
この近くに廃校になった木造の小学校があります。手をかけてつくられ、大切に使われてきたことがわかります。立派で、地域の人たちの誇りでもある建物です。今では子ども達が通うことはなくなった小学校を、できるだけその趣のある建物を生かし活用して、またみんなが集まる場所にしたいと思っています。
北麓草水
光彦さんの写真館もその小学校の中にあるのですね。使い込まれた床や壁の色など新しいスタジオでは出せない雰囲気ですね。
光彦さん
春からはジビエ料理を提供する飲食店がオープンします。地元の人たちと一緒に活気ある場所にしていきたいと思っています。ここでの生活は、とても小さなコミュニティなので、一人一人深い付き合いになっていきます。だからこそ、自分に素直に率直に話し合えるし、自分自身に無理なくいられる感じがします。また、TOWAを拠点にしながら、様々な人やモノと出会って外にも広がっていきたいと思っています。
貴子さん
こちらに移住してから子どもが生まれ、周りの人に助けてもらって、子どもと一緒に自分も育っていると感じます。小さな集落には子どもが少なく、家族が増えたことをみんなが喜んでくれて、本当によくしてもらっています。小さなコミュニティの中で、人と人との繋がりの大切さ、ありがたさを日々感じています。習慣としては、独学でダーニングの技術を学んで、家族と自分の靴下や服に空いてしまった穴やほころびを繕うことをしています。またダーニングのご依頼もお受けしています。使う糸の色を工夫すると、ワンポイントにもなって、使い込んだものが新しく生まれ変わり、愛着が増していきます。気に入ったものを大切に長く使いたいと考える方にダーニングは注目されているようで、教えて欲しいと言われることが増えてきました。ワークショップなどで、その技術と楽しさを伝えていきたいと思っています。

かつては養蚕農家だったという古民家は、土間と囲炉裏があり、その横には光彦さんこだわりの真空管のアンプや古いスピーカーがあり、古い家に共鳴する音楽を楽しめるようなセッティングになっています。部屋は暖かく爽やかな香りが満ちていました。床の間には柚子を輪切りにしてお湯を注いだ器が置かれ、柚子の香りの湯気が立ち上っていました。そのおもてなしの心に、割田さんご夫婦の豊かさを感じる思いがしました。遠い昔から続いている日々の営みや人との繋がりを大切にしながら、それは決して古くなく、これから先の時代を指し示す生き方のように感じました。ありがとうございました。

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