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    vol.115

    主婦

    今田千晶さん

    暮らしの中で季節を感じることを大切に、日々を紡いでいる

    四季折々の季節の行事を楽しみ、旬のものを食卓に取入れて、暮らしを楽しまれている今田さん。ご家族と過ごす家庭という空間と時間を大切に日々過ごしていらっしゃいます。便利に早く物事が進んでいく世の中で、温かくほっとするような雰囲気をお持ちです。大切なものをじっくりと時間をかけて育む大切さを思い起こさせてくださるような、今田さんの日々の暮らしや、工夫についてお話を伺いました。

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 今田さん

      家族みんな食べることが大好きで、食事をとても大切にしています。食事は家族そろって食べることが基本です。我が家では当たり前にそうしてきたのですが、大学生になったこどもがそのことを友人に話したら、そうしている人はほとんどいなくて、珍しいと言われたそうです。

      北麓草水

      お子様が成長されたりして、お一人お一人の生活のリズムは変わっていきますね。朝の一番忙しい時間に、ご家族全員が時間を合わせて一緒に食卓を囲むには、どのような工夫をされているのか教えていただけますか。
    • 今田さん

      一番早く起きて家を出る人に、他の家族が合わせるようにしています。ずっとそうしてきたので、家族全員それが当たり前になっていて、そうしないと1日のペースが崩れてしまうように思います。

      北麓草水

      今田さんの朝の時間は、どのように過ごされているのか教えていただけますか?
    • 今田さん

      下の子が高校に通っていたこの春まで、朝は大体5時30分頃に起床して、こどものお弁当をつくっていました。その時一緒に、夫と自分が昼食に食べる分もつくっておきます。そして6時すぎに家族が起床して、食卓に集まったら朝食の時間です。食事の後は、高校、大学、会社へとそれぞれ出かけて行きます。たとえば今日の朝食はパンに紅茶、目玉焼きとソーセージ、トマトと野菜のサラダ、果物、ヨーグルトでした。ヨーグルトは毎日食べていて、甘麹、シナモン、きなこ、すりごま、レーズンなどそれぞれが好きなものを入れて食べています。甘麹は、米麹を発酵させてつくった、甘酒の素になるものです。甘味がある発酵食品なので、ヨーグルトととても良く合います。紅茶はストレートでもミルクを入れても美味しい、京都の老舗コーヒー店のオリジナルブレンドを気に入って取り寄せています。

      北麓草水

      とても美味しそうで、充実した朝食ですね。ご家族が朝一緒に食卓を囲んで、同じものを食べることで、言葉でのコミュニケーションはもちろんですが、それぞれお互いの様子を感じ合うことができる大切な時間ですね。
    • 今田さん

      そうかもしれませんね。今日は元気そうだな。少し食欲がないなと様子を感じることができますね。みんなが一緒に食べれば、食事の支度が一度で済むので、そうしているだけなのです。

    その他に大切にしていること、習慣にしていることはありますか?

    • 今田さん

      季節を感じるものを玄関や部屋に必ず飾るようにしています。1月はお正月、2月は節分、3月は雛祭り、4月は桜など春を感じるもの、5月は端午の節句、6月は紫陽花や雨のしずくなどです。雨のしずくのフレームは旅先で見つけた青色のビーズを水滴の形の刺繍にしてみました。6月になったら飾ろうと思っています。それから、玄関やテーブルに必ず花を飾るようにしています。野菜を買うように花を買うようにして、いつでも花があるようにしています。たった一輪でも花があると気持ちが和みます。季節の花を選ぶのも日々の楽しみです。

      北麓草水

      今田さんのお話の通り、玄関、リビング、お部屋のコーナー、廊下それぞれの場所に季節を感じる絵やフレーム、置物、花が飾られていて、どこに目をやっても美しく楽しいお部屋ですね。今田さんが季節のものを暮らしに取り入れるようになったきっかけがあれば、教えていただけますか?
    • 今田さん

      きっかけと言えるかわかりませんが、私の母がとても料理上手で、手芸や手仕事も好きで、いろいろなものをつくってくれたことが影響していると思います。私が家庭を持ってからも、春にはとれたての筍を湯がいて、秋には栗の皮をむいて送ってくれました。手間のかかる下ごしらえを母がしてくれていたので、私はすぐに料理に使うことができました。毎年当たり前のようにしてもらっていたことが、とてもありがたいことだったと思います。今度は私が母の味やしてくれたことを伝えていきたいと思いました。

      北麓草水

      お母さまもきっと代々伝えられてきたことを、今田さんに伝えて、愛情と一緒に受け取った今田さんがまたそれを伝えていくということは、素晴らしいことですね。お部屋に飾ってあるフレームに入った刺繍や和紙でつくられたお節句の飾りは(取材時は5月)今田さんが手づくりされたものですか?
    • 今田さん

      刺繍は私が刺したものです。毎月季節に合うものを飾っています。刺繍に限らず、何かをつくることが好きで、アイディアをどう形にしようかと考える時間が楽しいですね。こどもたちの思い出を布絵本にしてプレゼントしたこともあります。和紙でつくったお節句の飾りは、母がつくってくれたものです。ひな人形とお飾りも母がつくってくれたものがあり、大切にしていて毎年季節になると飾っています。3月3日には、お雛様の形をした茶巾ずしをつくってお祝いします。それも母が私たちにつくってくれたもので、今では我が家の雛祭りの恒例になっています。季節の行事ごとに、その日にいただくお祝い膳のメニューが決まっていて、家族みんなが楽しみにしています。

      北麓草水

      とても丁寧に1日1日、1年1年を過ごしていらっしゃるのですね。お家の中に流れる豊かで穏やかな雰囲気は、そのような日々の積み重ねからつくられていることを感じます。
    • 今田さん

      私はとてもめんどうくさがりなので、いかに自分が楽に毎日のことをするかを工夫しているだけなのです。食事も家族が一緒にとれば、支度も片付けも一回ですみますから、食事もお茶の時間もみんながいっせいにテーブルに集まるようにしている訳です。行事のメニューも、決めたものがあれば、毎年あれこれ悩まずにすみますし、何回も同じものをつくるので、今ではこどもたちも一緒に作ってくれるようになりました。食事づくりは毎日のことなので、いかに楽にそして家族みんなが楽しく食卓を囲めるように考えています。休みの日には、家族全員が自分の得意料理や、食べたいものを1品つくり、それを並べたこともあります。様々なものが並んで楽しかったので、それ以来『居酒屋ナイト』と称して楽しんでいます。また、『唐揚げナイト』では、揚げ鍋を食卓に置いて、唐揚げを皆でつくって、美味しい揚げ方を工夫してみたりしています。自分があまり手をかけないで、楽しく美味しく食卓を囲めるアイディアをいつも考えています。

    ご自身では何も特別なことはしていない、と謙遜をされる今田さん。暮らしの中で様々なことに気づき、工夫をしてそれを形にすることをずっと続けていらっしゃいます。それは、ご家族への温かな想いと同時に、ご自身が喜びを持って活き活きと生きることに繋がっているようでした。仕事のように評価や対価を得るためのものではない営みです。その営みは、かけがえのない絆によって受け継がれて、ご家族やそれを共有する人の中に、しっかりと根付いているのだということを感じました。そして大切な想いは、世代を越え、ゆっくりと時間をかけ育まれるものなのだということを改めて教えていただきました。ありがとうございました。(2022年6月17日公開)