• オンラインストア
  • お店のご案内
  • みんなの習慣

    vol.128

    編集・ライター・イメージコンサルタント

    寺田佳織さん

    美容やウェルネスの分野を中心に、フリーで編集・ライターをされている寺田さん。昨年、2023年の春にはイメージコンサルタントの資格を取得され、新しい仕事として取り組まれています。「特に女性に対して、ご自身で気付いていない素敵なところを、私にできる範囲でお伝えできたら」と思っていらっしゃるという寺田さんに、大切にされていることや習慣を伺いました。

    Q.日々暮らすなかで習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 寺田さん

      自分の本音をなるべく把握しておくことです。見て見ないふりをしない。例えば、こんなことが悲しかったとかこういうことで傷ついたとか、うれしかったとか、自分の本音を知っておきたいと思っています。

      北麓草水

      自分の本音に向き合うきっかけがあったのでしょうか。
    • 寺田さん

      東日本大震災がありました。大きな被害は受けませんでしたが、当時勤めていた会社はひどく揺れて。大きなロッカーや備品棚などが半分以上倒れたのです。それを見て「いつ何があるかわからない、私はこのままでいいのだろうか」という思いが強くなって、転職に踏みきりました。

      転職先では、ウェブサイトの企画や構成といった編集の仕事に就きました。もともとメディアや広告が好きだったんですね。以前の会社ではあくまでも補佐役、自分の仕事と言えるものが見つけられなかったけれど、編集の仕事に就いて、自分で自分の仕事をつくる感覚を覚え、やりがいが出てきました。

      それからですね、自分の本音を意識するようになったのは。特に怒りや悲しみなど、マイナスな感情に向き合うときは、正直ひどい言葉が湧いてくることもあります。それでも繕わずに、「私はこういうふうに思うんだな」と自分の気持ちをつかまえて、「なぜそう思うのか」までさかのぼっていくようにしています。私は、この一連の作業を「自分の取説づくり」と思っています。

      北麓草水

      自分で自分の取説が必要になることもある、と気づかれたのですね。
    • 寺田さん

      ある専門家の方がおっしゃっていたのですが、悲しみや怒りで気持ちが高ぶったときにどうすれば落ち着けるか、書いて貼っておくとよい、高ぶっている最中には考えつかないから、と。確かにそうだなと思って。貼り出してはいないのですが、「散歩をする」「マッサージに行く」「いったん眠る」という対策はいつも頭の隅に置いています。身体を動かすことで気をそらす、というか。身体を動かしたくないときはビジネス書を読みます。

      北麓草水

      ビジネス書とはとても意外です。
    • 寺田さん

      高ぶっているときに小説を読もうとしても、せっかくのストーリーをうまく消化できないのです。その点ビジネス書だと、淡々と文字を追っても頭に入ってくる。冷静になるためにとってもよいツールです。

      取説づくりをしていて、編集という仕事は自分の得意分野だと思うこともできました。企画をすること、書くこと。取材や原稿の締め切りといった予定を立てたり、いつまでにこれを、いつまでにあれをと手配したり。そういうことが苦ではないと気づいたのです。

    Q.その他に大切にしていること、習慣にしていることはありますか。

    • 寺田さん

      自分に向き合う一方で、人と向き合う時は、発する言葉の選び方をとても大事にしています。言葉はたやすく人を傷つけます。自分の言葉で誰かを傷つけることがないように、気をつけているつもりです。

      北麓草水

      (寺田さんは、私たちが質問をすると、ワンクッション置いてゆっくりと丁寧に答えてくださいました。言葉選びを大切にされていることを肌で感じました)
    • 寺田さん

      私はいま、女性のエンパワーメント、なかでもポジティブな自己評価を後押しすることに関心があります。編集・ライターの仕事もイメージコンサルタントも、女性に何かを伝えることが多くあります。エンパワーメントする、というと何か偉そうな感じがしますが、ご自身で気づいていない素敵なところを、私のできる範囲でお伝えしたい、という思いです。

      北麓草水

      イメージコンサルタントとはどんなお仕事なのでしょうか。
    • 寺田さん

      端的に言うと、お客様がここぞというときに印象をよくするためのお手伝いをする仕事です。顔映りのよい色がわかるパーソナルカラー診断や、「顔タイプ」という顔立ちから似合うファッションや小物、髪型などを、診断を通して提案します。私はコスメが得意なので、コスメの色選びやメイクの相談にものっています。「今日は写真を撮る」「人前で話す」「大切なプレゼンがある」という「ここぞ」という場面で、ご自身の印象をよくすることに役立ちます。

      北麓草水

      お客様はどんな反応をされますか。
    • 寺田さん

      ビフォー・アフターの写真をお撮りするのですが、先日いらしたお客様は「こんなに『いい感じ』の顔になったのは初めて」とおっしゃって、写真をお友だちに送られたそうなんです。そうしたら「みんなが褒めてくれました。私も自分のありのままを活かせばよいということがわかりました」と、とても喜んでくださいました。

      北麓草水

      ご自身で気づいていない素敵なところを見つけてお伝えしたい、という寺田さんの思いに直結したご経験ですね。
    • 寺田さん

      診断では、その方が元々おもちの魅力やお得意のゾーンを伝えるので、お話を伺って、私もすごくうれしかったです。

      北麓草水

      イメージコンサルタントのお仕事は、ご自身にも何か影響があったのでしょうか。
    • 寺田さん

      物質的なことだと、洋服やコスメを選ぶときにとても役に立っています。オンラインショッピングでも失敗しにくくなりました。ただ、それよりも精神的な影響が大きいです。自分以外の方に、その方の良いところをお伝えする、という行為は、めぐりめぐって私が私自身の良いところを見つめるきっかけにもつながっていると感じています。

      北麓草水

      複数のお仕事をされていて、気分転換はどうされていますか。
    • 寺田さん

      フレグランスやルームスプレーなどで香りを愉しんでいます。あまり強い香りではなく私になじむものがあったら身体につけたり、空間にシュッとしたりして「ああ、いい匂い」って。香りは何種類か持っていて、夜眠る前に枕に吹きかけるものもあります。寝落ちするくらい私に合っている、ぐっすり眠れる香りです。

      北麓草水

      フリーだとご自宅でお仕事をされることも多いかと思います。仕事とプライベートの区切りは、どのようにつけていらっしゃるのでしょうか。
    • 寺田さん

      仕事をする場所を変えることですね。ときどき自宅の近くのコーヒーショップに出かけます。大きな窓があって、吹き抜けで、焙煎しているところも見られる。とても開放的なんです。

      北麓草水

      ほかにも気分転換の方法をおもちでしょうか。
    • 寺田さん

      ピラティスです。何かあったら、「1回ピラティスに行こうか」って。ピラティスは全身のすごく細かいところまで動かすんですね。ストレッチとインナーマッスルのトレーニングが混ざっている感じです。ハードな筋トレや運動は苦手で続きませんでしたが、ピラティスは気持ちがよかった。最低でも1週間に1度、それが無理でも月に4回は行くようにしています。

      でも実は、この『みんなの習慣』のお話があって考えたら、「気分転換を大事にしていない」と気づいてしまいました。夢中になっていると、気分転換をどんどん忘れてしまうのです。たぶん、私はもっと気分転換したほうがよいタイプ。フレグランスやピラティスへの意識も高めたいですね。

    「もっと自信を持ったり、そのままの自分を受け入れたり、受け止めたりする人が増えたら」というひそかな思いと、「編集・ライターとイメージコンサルタントという2つの仕事を融合させた何かをやってみたい」という希望をおもちだという寺田さん。おだやかでいて、まっすぐな瞳の寺田さんと向かい合って、きっと夢をかなえられることだろう、と思いました。今回はひょんなご縁からインタビューを快諾してくださり、「今年5本の指に入る驚きでした」と笑わせてくださいました。今後ともどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。(2024年1月22日公開)