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    vol.87

    食養生料理家

    塚本紗代子さん

    tugumi LABO代表取締役社長

    『食卓からwell beingを』を掲げ、若い世代に食の大切さを伝えたいと、自ら会社を設立して活動をされている塚本さんです。現在は、教室での食育プログラムの実施、保育園の給食メニューのプロデュース、コミュニティーづくりなどをされ、春からは食養生の考えに基づく料理教室をされる予定です。東京から海と山が近い土地に拠点を移し、新たな出発をされた塚本さんに、日々の習慣や植物についてお話を伺いました。(well beingとは、身体的、精神的、社会的、環境的に豊かで良好な状態にあることを表します。)

    日々暮らす中で習慣にしていること、大切にしていることはありますか?

    • 塚本さん

      よく眠ることを習慣にしています。8時間は睡眠時間を取るように心がけていて、夜の12時前には就寝するようにしています。

      北麓草水

      睡眠時間を確保することは、健康な生活を送るためにとても大切なことですね。睡眠の質をよくするために、何か心がけていらっしゃることがあれば教えていただけますか。
    • 塚本さん

      毎日必ずお風呂に入るようにしています。基本的には夜寝る前に入浴するのですが、遅くなってシャワーで済ませてしまった時などは、日中に時間をつくり、一日一回はゆっくり湯船に浸かるようにしています。体が冷えやすい体質なので、お湯も薬湯にして入り体を温めるようにしています。

      北麓草水

      薬湯とはどのようなものなのか、教えていただけますか。
    • 塚本さん

      生薬や薬草を湯の中に入れて血行を促進したり、保温、発汗を促したりするものです。私は大根の葉を干したものを煮出し、それを湯船のお湯に加えています。ゆっくりお湯に浸かり、体の中心の腰のあたりをよく温めるようにしています。のぼせないように足を上げ、手足を湯から出して入ったりしています。また、ヨモギを煮出したものを入れることもあります。ヨモギは発汗を促してくれます。

      北麓草水

      身近な植物でできる薬湯は、気分も変わって心と体をリフレッシュできそうですね。
    • 塚本さん

      お湯に浸かっている時間は、仕事のことも考えずにできるだけリラックスするようにしています。薬湯に使う植物は、季節やその方の体質、体調に合わせて選ぶとよいと思います。秋から冬にかけては体を温めたいので、大根干葉をよく使います。春には冬のデトックスにヨモギを使います。塩を足すことで、より発汗が促されます。

    その他に大切にしていること、習慣としていることはありますか?

    • 塚本さん

      朝日を浴びながらランニングをしています。午前中に走ることで、体の代謝が上がり、外に出て光や風を感じることで、頭と体が目覚めて活動的になるようです。私は体を動かしている方が体調がよいタイプなので、ランニングはずっと続けています。

      北麓草水

      いつ走るのかも大切な要素なのですね。
    • 塚本さん

      そうですね、夕方以降は激しい運動はしないようにしています。夜の睡眠に向けて沈静していく時間なので、夕方は散歩程度にしています。海岸まで歩いて行かれるので、夕日が海に沈む時間に散歩をすることもあります。

      北麓草水

      自然豊かな環境で、自然の恵みを暮らしの中にたくさん取り入れていらっしゃるのですね。
    • 塚本さん

      海も山も近く、漁港や地場野菜の産地も近いので、生産者の見える食材が手に入りやすいことも恵まれています。この環境を生かし自然を体感して、自分と食と自然が全て繋がっているということを伝えるような活動を展開していこうと考えています。

      北麓草水

      食について、塚本さんが大切にされていることを教えていただけますか。
    • 塚本さん

      食材、食品を選ぶ時には、まず自然界に存在しない、不自然なものは選ばないようにしています。例えば添加物、化学調味料、遺伝子組換え作物などです。次に確認することは肉、野菜、卵などが、どのようにつくられたものなのかを見るようにしています。私たち自身の体が、自分が食べたものでつくられているように、食肉や野菜もどのように育てられ、生産されたかで食材の持つ性質、味、体に与える影響が変わってきます。そして最後に農薬を使っていないか、またどのような農薬が使われたかを見るようにしています。ですので、つくり手から直接買うことができるファーマーズマーケットや朝市などで、できるだけ野菜や食材を仕入れるようにしています。そして食材選びと同様に、食べ方もとても大切です。一番の基本は、お腹が空いてから食べるということです。一人一人体格、体質、年齢、その日の体調が違うので、自分の体に合わせて食べることがとても大切です。

    10代の頃から、栄養学や美容に興味を持たれていたという塚本さんが、様々な経験と試行錯誤の末にたどり着いたのが、食養生という考えだそうです。素の自分を知り、ありのまま等身大の自分を愛することから、真の美と健康が生まれると語ってくださいました。自然豊かな環境を生かしたワークショップや料理教室を通して、都会で働く若い世代の女性たちに、そのことに気がついてもらえるような機会を提供したいと、これからの展望をお話くださいました。人、食、自然がよい循環で繋がり豊かに続いていく、未来に希望を感じるお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。これからの活動を楽しみにさせていただきます。